許されるなら一度だけ恋を…
ハズレお見合い
……早く時間過ぎないかな。

現在、私の目の前には高級そうなスーツに身を包み一生懸命に話(恐らくご自分の自慢話)をする男性がいる。

一応愛想笑いはするものの彼の話に全く興味のない私は、話を聞く振りをしてふぃっと視線を外へと向けた。

……良い天気。

空を見上げれば、澄み切った青とその青空を気持ち良さそうに流れる白い雲がある。この空の下をゆっくり散歩したら気持ち良いだろうな。

そんな事を考えながらまた彼の話を聞く振りをする。さっきからこの繰り返しだ。

私が何故ここに座って彼の話を聞いているかというと、只今お見合い真っ最中だからだ。
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