許されるなら一度だけ恋を…
想い伝えます
蒼志に告白しようと決めてから既に一週間が過ぎていた。もちろん私は何のアクションも起こしていない。
何か告白するきっかけがあればと思いながら私はまた自分の気持ちから逃げているのかもしれない。
「おい桜、仕事中に何ボーッとしてんだ?」
考え事をしている私に蒼志は丸めた紙で頭をポンと叩いてきた。
「……ごめん」
「まぁ暇だからいいけど。それよりちょっとこっち来い」
蒼志に連れられて私は奥の和室に入る。そこには桜色の綺麗な袷《あわせ》着物が飾られていた。
「素敵な色ね」
「だろ?今の時期にピッタリの袷着物だし、これをどーんとネットにアップしようと思うんだ」
蒼志は自信たっぷりの顔をする。若い人にも和服に興味を持ってもらいたいという思いから、蒼志はホームページにも力を入れていた。
「へぇ、いいんじゃない」
「それで桜、この袷着物を着てくれないか?俺が写真撮るからさ、お前モデルやってくれよ」
「でも、私にはこの桜色の袷着物は似合わないと思う」
綺麗な桜色だし着てみたいという気持ちもあるが、淡い色は私に似合わないといつも避けていた。だから今日も落ち着いた藍色の袷着物を着ている。
何か告白するきっかけがあればと思いながら私はまた自分の気持ちから逃げているのかもしれない。
「おい桜、仕事中に何ボーッとしてんだ?」
考え事をしている私に蒼志は丸めた紙で頭をポンと叩いてきた。
「……ごめん」
「まぁ暇だからいいけど。それよりちょっとこっち来い」
蒼志に連れられて私は奥の和室に入る。そこには桜色の綺麗な袷《あわせ》着物が飾られていた。
「素敵な色ね」
「だろ?今の時期にピッタリの袷着物だし、これをどーんとネットにアップしようと思うんだ」
蒼志は自信たっぷりの顔をする。若い人にも和服に興味を持ってもらいたいという思いから、蒼志はホームページにも力を入れていた。
「へぇ、いいんじゃない」
「それで桜、この袷着物を着てくれないか?俺が写真撮るからさ、お前モデルやってくれよ」
「でも、私にはこの桜色の袷着物は似合わないと思う」
綺麗な桜色だし着てみたいという気持ちもあるが、淡い色は私に似合わないといつも避けていた。だから今日も落ち着いた藍色の袷着物を着ている。