許されるなら一度だけ恋を…
「だって桜はずっと俺の事好きだったんだろ?結果的に俺はお前を振ってしまったわけだけど、その後すぐに桜の気持ちが奏多さんに移るとは思えないんだよな」
「でも私が奏多さんの事好きなんじゃないかって言ったの蒼志じゃない」
「そう、そこなんだよ。俺が余計な事を言ってしまったばかりに、桜は真面目だから本当はお兄さん的存在で慕っていた奏多さんへの想いを勘違いしてるんじゃないかと思うんだ」
「勘違い……」
私は言葉を失った。確かに蒼志から奏多さんの事好きなんじゃないかって言われなかったら、私は奏多さんの事を今でも相談に乗ってくれる優しいお兄さんみたいに思っていたかもしれない。
でも……
私はビールの入ったグラスを置き、俯きながら自分の気持ちを今一度確認してみる。
『私は奏多さんの事、どう想っている?』
黙々と考え込んでいると、私の様子を見ていた蒼志が急に私の肩を抱き、グイッと引き寄せできた。
「な、何!?」
「だーかーらー考え過ぎたっつうの。もう何も考えるな。お互いの家と縁を切らなきゃ奏多さんとは恋愛出来ないんだからさ。桜は華月家が大事なんだろ?」
蒼志はそう言うと、私の肩からパッと手を離した。
「だからさ桜、結婚相手はもう俺にしとけよ」
そうね、結婚相手は蒼志に……って何言ってるの!?
私は勢いよく蒼志の方を向いた。いつもの冗談には見えない真面目な表情をしている。
「でも私が奏多さんの事好きなんじゃないかって言ったの蒼志じゃない」
「そう、そこなんだよ。俺が余計な事を言ってしまったばかりに、桜は真面目だから本当はお兄さん的存在で慕っていた奏多さんへの想いを勘違いしてるんじゃないかと思うんだ」
「勘違い……」
私は言葉を失った。確かに蒼志から奏多さんの事好きなんじゃないかって言われなかったら、私は奏多さんの事を今でも相談に乗ってくれる優しいお兄さんみたいに思っていたかもしれない。
でも……
私はビールの入ったグラスを置き、俯きながら自分の気持ちを今一度確認してみる。
『私は奏多さんの事、どう想っている?』
黙々と考え込んでいると、私の様子を見ていた蒼志が急に私の肩を抱き、グイッと引き寄せできた。
「な、何!?」
「だーかーらー考え過ぎたっつうの。もう何も考えるな。お互いの家と縁を切らなきゃ奏多さんとは恋愛出来ないんだからさ。桜は華月家が大事なんだろ?」
蒼志はそう言うと、私の肩からパッと手を離した。
「だからさ桜、結婚相手はもう俺にしとけよ」
そうね、結婚相手は蒼志に……って何言ってるの!?
私は勢いよく蒼志の方を向いた。いつもの冗談には見えない真面目な表情をしている。