許されるなら一度だけ恋を…
私は自分の部屋に入り、そのままベッドに腰掛ける。
思いがけない蒼志からの告白…っていうかプロポーズ?を受け、再度自分の気持ちを整理してみた。
少し前まで蒼志に恋心を抱いていたのは事実だ。学生時代からずっと好きだった。
でも、いつの間にか私の心の中には奏多さんがいる。蒼志はこの気持ちを勘違いというけど、告白された今もやっぱり頭に浮かんでくるのは奏多さんの姿……
華月家の事を考えれば蒼志の提案を受けるべきだと思う。
奏多さんへの想いもいつかは終わらせないといけない事も分かっている。
だけど……
私は窓際に移動して夜空に輝く月を見上げ、京都での夜を思い出す。
「……奏多さん」
月に向かってそっと呟いた。
ちょうどその時、私の携帯が鳴り始める。こんな時間に誰?と思いながらバックに入れたままの携帯を取り出して着信に出た。
「もしもし」
「……一ノ瀬やけど、こんな時間にごめんな。今、話出来る?」
「かっ奏多さん!?」
着信相手も見ずに携帯に出てしまったので、相手が奏多さんと分かり今かなり動揺している。
それにしても、奏多さんからのプライベート電話なんて初めてだ。
「桜さん?」
動揺から会話するのを忘れてしまった私に、奏多さんが不思議そうな声で私の名前を呼ぶ。
「えっと、ごめんなさい」
「今話すのが無理やったらまたかけ直すけど」
「いえ、全然大丈夫です。話出来ます」
私は心を落ち着かせて奏多さんと話を始めた。
思いがけない蒼志からの告白…っていうかプロポーズ?を受け、再度自分の気持ちを整理してみた。
少し前まで蒼志に恋心を抱いていたのは事実だ。学生時代からずっと好きだった。
でも、いつの間にか私の心の中には奏多さんがいる。蒼志はこの気持ちを勘違いというけど、告白された今もやっぱり頭に浮かんでくるのは奏多さんの姿……
華月家の事を考えれば蒼志の提案を受けるべきだと思う。
奏多さんへの想いもいつかは終わらせないといけない事も分かっている。
だけど……
私は窓際に移動して夜空に輝く月を見上げ、京都での夜を思い出す。
「……奏多さん」
月に向かってそっと呟いた。
ちょうどその時、私の携帯が鳴り始める。こんな時間に誰?と思いながらバックに入れたままの携帯を取り出して着信に出た。
「もしもし」
「……一ノ瀬やけど、こんな時間にごめんな。今、話出来る?」
「かっ奏多さん!?」
着信相手も見ずに携帯に出てしまったので、相手が奏多さんと分かり今かなり動揺している。
それにしても、奏多さんからのプライベート電話なんて初めてだ。
「桜さん?」
動揺から会話するのを忘れてしまった私に、奏多さんが不思議そうな声で私の名前を呼ぶ。
「えっと、ごめんなさい」
「今話すのが無理やったらまたかけ直すけど」
「いえ、全然大丈夫です。話出来ます」
私は心を落ち着かせて奏多さんと話を始めた。