許されるなら一度だけ恋を…
「……仲ええな、妬けてまうわ。外出してたんなら疲れてるやろうし、そろそろ電話切らなあかんな。じゃあおやすみ」
「あ、奏多さ……」
名前を呼ぶ途中で電話は切れてしまった。
「奏多さん、私と蒼志の事誤解したのかな」
手に持っている携帯をテーブルにそっと置き、今度は窓を開けて空に浮かぶ月を見上げた。
『やっぱり勘違いじゃない。この想いを貴方に伝える事は出来ないけど、今だけ言わせて下さい』
心の中でそう思いながら、私は月に向かって自分の気持ちを告白した。
「私は奏多さんの事が好きです」
ハッキリと想いを口にした私の頬に一筋の涙が流れる。
大丈夫。明日から気持ちを切り替えて、華月家の事をちゃんと考えよう。
大きく深呼吸をして、自分の気持ちを閉じるかのようにゆっくりと窓を閉じた。
そして次の日、今日は呉服屋の仕事は休みなので家の手伝いをしている。
昨日の事もあり、蒼志と顔を合わせなくて済んだのには少しホッとしているけど、返事……どうしよう。
とりあえず、馴染みの和菓子屋さんに頼んでおいた和菓子を取りに行こうと玄関のドアを開けた。
外は雨が降っている。結構強めの雨で、傘をさしても濡れてしまいそうだ。
この雨と一緒に私の想いも流れてしまえばいいのに。
雨降る空を見上げてそう思った。
「あ、奏多さ……」
名前を呼ぶ途中で電話は切れてしまった。
「奏多さん、私と蒼志の事誤解したのかな」
手に持っている携帯をテーブルにそっと置き、今度は窓を開けて空に浮かぶ月を見上げた。
『やっぱり勘違いじゃない。この想いを貴方に伝える事は出来ないけど、今だけ言わせて下さい』
心の中でそう思いながら、私は月に向かって自分の気持ちを告白した。
「私は奏多さんの事が好きです」
ハッキリと想いを口にした私の頬に一筋の涙が流れる。
大丈夫。明日から気持ちを切り替えて、華月家の事をちゃんと考えよう。
大きく深呼吸をして、自分の気持ちを閉じるかのようにゆっくりと窓を閉じた。
そして次の日、今日は呉服屋の仕事は休みなので家の手伝いをしている。
昨日の事もあり、蒼志と顔を合わせなくて済んだのには少しホッとしているけど、返事……どうしよう。
とりあえず、馴染みの和菓子屋さんに頼んでおいた和菓子を取りに行こうと玄関のドアを開けた。
外は雨が降っている。結構強めの雨で、傘をさしても濡れてしまいそうだ。
この雨と一緒に私の想いも流れてしまえばいいのに。
雨降る空を見上げてそう思った。