怖いパターン
そっと、足を踏み出した。

視線はぶれない、しっかりと奥の部屋を捉えたままである。

二○二号室前を過ぎ、問題の二○三号室は目と鼻の先である。

恐怖心と興味がない混ぜになり、自分が今どういう状態なのかわからない。

部屋から軋む音が聞こえ、下の階にいたときよりはっきりしている。

唾を飲み込み、歩き始めた。掌をぎゅっと握ったまま、次第に二○三号室のドアが近づく。
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