怖いパターン
玄関に足を踏み入れた。上半身を遅らせながら、部屋に入り込んだ。

シンク上でゆらゆらと揺れている。一本のロープが食器棚の取っ手から、垂れ下がり揺れるものに繋がっていた。


首にしっかりと食い込む縄、ゆりかごのように揺れる度に締めあがる痛々しい音が耳につく。

どうやら人のようだ。


窓から差し込む光がぶら下がるものを照らす。まるで操り人形のように、だらり四肢が力なくさがっている。
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