怖いパターン
彼がぐるりと部屋を見回した。1DKなので大きく見回すまでもない。

「好きなところに座ってよ」

僕は台所に向かい、コンロの火を点けた。蛇口をひねり、やかんに水をため、コンロ台にそっと置いた。

背中に向かって、彼が言った。

「そんなに古く見えないけど、築何年ぐらい?」

「五年、不動産の人が言ってた。三田は何を飲む? 紅茶、お茶、コーヒー」

彼は間髪いれずにお茶と答えた。
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