未来の種ーafter storyー
「もちろん、優くんと結婚して、念願の赤ちゃんを授かって、これ以上ないくらい幸せだと思うの。今はね。
でもいずれ、今の世の中が落ち着いて、子供が大きくなってきたら、美衣子はやっぱり気にすると思うのよ。優くんの未来を奪ってしまったんじゃないかって。
………わかるわよね?」

私の話を、優くんは黙って聞いてくれている。

生まれた時からずっと美衣子のそばにいた優くんなら、美衣子がその考えに至ることも想像できているはずだ。

「……はい。
美衣子はきっと気にするだろうって思います。
でも俺は……美衣子のそばをまた離れるなんて、やっぱり考えられないんです。
それに子供も生まれるのに…。
今の俺には、美衣子と生まれてくる子が何よりも大切なんです。
……ピアノより…です。」

「優くん…」

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