未来の種ーafter storyー
「つわり、落ち着いたみたいだな。
昇平から聞いたんだ。」

公親と昇平は同級生だからな。
常に連絡を取っているんだろう。

「うん。全然痩せなかったって文句言ってるよ。」

「ハハ、美衣子らしいな。
……じゃあ、お前、今暇か?」

「……何。」

「そう警戒するなよ。昼飯食いに行かないか?」

「…は? いや俺はいい。
感染リスクは減らしたいから。
コンビニで何か買うよ。」

俺だけの問題じゃないんだ。
美衣子と子供にも影響してしまうからな。

「それなら大丈夫だ。
そこの店は徹底管理しているから。
食べ終わってマスク付けるまで、喋らせてくれないんだよ。
そっちの校長もよく来てるぞ。」

「……わかったよ。」

校長まで出されたら断りにくい。
それにあの用心深い伯父が行ってるなら確かなんだろう。

そう言って連れて行かれた店は、俺もかつてはよく来たことのある店だった。

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