未来の種ーafter storyー
「櫂人さん、すげーな。
なんでも知ってる。
やっぱり優、来たことあったんだ。」

「あ、うん。父親とね。
でも、ランチやってるのは知らなかった。
櫂人さん、いつから始めたの?」

「あー、2年前くらいからだ。
悠人が小学校に入って、さすがに夜ずっと父親が居ないのはまずいかと思ってな。
それで、まず日曜日を定休日にして、平日はランチタイムから開けることにした。
閉店は22時だ。
金曜日と土曜日だけは遅くまで開けることにしてる。
ここの顧客には申し訳ないけど、子供が小さい間はなるべくそばに居たいからな。」

「そうだったんだ…」

でも、櫂人さんの気持ちは俺もよくわかる。
まだ生まれていないけど、やっぱり子供が小さい間は、なるべくそばに居たい。

「ここのランチ人気なんだ。
正午前後には外に列ができるんだぞ。」

「ハハハ、まあ、こんな世の中だからな。
今は全然だけど。
外食産業はなかなか辛いよ。
それでも来てくれるお客さんは本当に有り難い。聖くんもよく来てくれるんだ。」

そうか…。
だから公親もなるべくここへ来るようにしてるんだな。

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