未来の種ーafter storyー
「で、何にする?
ピザセットかパスタセットになるんだけど。
ちなみに今日のピザはアンチョビと生ハムのビスマルク。
パスタはフェトチーネでナスとほうれん草のボロネーゼだ。」

「美味そう…俺はパスタかな。優は?」

「じゃあ、ピザで。
櫂人さんのピザ、食べたかったんだ。」

「お、嬉しいこと言ってくれるね。
じゃちょっと待ってて。」

そう言って、厨房に入っていった。

「公親、連れてきてくれてありがとう。」

「いや、無理矢理だったけど、櫂人さんと知り合いなら尚のこと良かったよ。
……ここも、今はやっぱり厳しいみたいなんだ。だから、なるべくな…。」

こうやって、今までの顧客がここを支えているんだろう。
ここは学園の卒業生だけでなく、学園の現職員の憩いの場でもある。なくなったら大変だ。

「食事の時は会話禁止。
節分だと思え。」

「…ピザ、巻いて食べるのかよ…。」

「お、恵方巻きピザだな!」

「……普通に食べたい。」

「バカ。そうじゃなくて無言で食べるって意味だ。」

「わかってるよ。ちょっと言ってみただけ。」

「王子様もボケるんだな。」

「さっきからなんだよ? 
王子、王子って。嫌味かよ。」

「え……いや、だって………あれ⁇ 」

そこで何故か、公親が奇妙なものを見る目付きで俺を見た。

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