未来の種ーafter storyー
「そうなんだ! うわ〜、嬉しい〜!
それ聞いたら、この動画を見る目が変わってくるよ。
……すっごく、嬉しい…」

「え、な、なんで⁇
泣くようなことか⁉︎ 」

「……嬉しくて。
なんか妊娠してから涙腺弱くて。
ホルモンのせいかなぁ…。
優ありがとうね。」

そんな風に言われたら、もう何も言えないじゃないか…。
俺はそっと美衣子を抱きしめた。

「ミイ。俺はいつでもそばにいるんだから、こんな動画見なくても、生演奏聴かせられるんだけど。」

「……うん。」

「ミイ?」

「………でもね。 
今はそれでいい。
こんな世の中だし、赤ちゃんも生まれるし。」

「……」

「この世の中が落ち着いたら、優はやっぱりピアノをするべきだと思うの。
私ね、優のキラキラしたピアノ、世界中の人に聴いてほしい。
それがね、私の夢だったの。」

「ミイ…」
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