未来の種ーafter storyー
「優より先に、いいのか?」

「優が怒るわけないじゃない。
ちょっと拗ねるだけだよ。」

「……」

「2日違いだったね。綾ちゃんと。」

「ああ。賑やかになりそうだな。
ところで、名前はもう決めたのか?」

「うん。私の中では決まってる。
でも、これから優と最終決定かな。
2人で決めたいから。」

「そうか。楽しみだな。」

そう言っていつものように頭を撫でてくれた。









「ミイ!」

手術室のその外では、優が待ち構えていた。

「優…産まれたよ。男の子。」

「……うん、うん。聞いたよ。
ありがとう…ありがとうなぁ……」

優はもうボロボロだ。
ずっと廊下で1人だったんだもの。
心配をかけたし、心細かったに違いない。
今はホッとしたんだろう。大泣きしている。

「優、おめでとう!」

「昇ちゃん……ありがとう…ありがとう…本当にありがとう…」

「…うん。良かった。
俺の甥っ子はめちゃくちゃ元気に泣いたんだぞ。俺も嬉しかった。」

「そうか…。ありがとう…」

「ただ、以前も言った通り、入院中、病室には、ここのスタッフ以外誰も入れない。
父親でもダメなんだ。悪いな。」
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