トンネル
「そうですね…ヤッチャンが気づいたら早い話、奴は終わりだ。」
「穏便に出来ないかしら?」
千里ママがフロアーを見て言った。
「奴は、紗理奈の行方を?」
「えぇ、店に入るなり、紗理奈を出せ!何処に隠した!って…」
「…俺が話してきます。」
千里ママにそう言い、俺はフロアーに出た。
他のテーブルに着いている客も、大声で話をしている奴に目を向けている。
「斉藤勇気さんですね?」
俺は奴に視線を向け、正面に座った。