トンネル


「ふふっ。忙しい、お母さんね。(笑)」


紗理奈は動揺する事なく、朝食を作り続けている。


「紗理奈…冷静過ぎるよ。母さんと居る様になって、妙に強くなったよなぁ。」

「私は変わりませんよ!(笑)」


そう言いながら、紗理奈は俺にスクランブルエッグとウィンナーが乗った皿を二つ手渡してきた。


「はい。机に運んでね。」

「…はい…」


目に見えて変わった紗理奈。

よく笑う様になった。


皿を机に置き、寝室へ行き新しいTシャツに腕を通した。


「あっ、確か来週からお盆だな?」


「そうですね。」


紗理奈が棚に置いてあるカレンダーを見た。


「通販会社は、夏休みだな…やった!少し楽出来る!!」


本気で喜んだ、俺。






< 39 / 71 >

この作品をシェア

pagetop