トンネル
「ふふっ。忙しい、お母さんね。(笑)」
紗理奈は動揺する事なく、朝食を作り続けている。
「紗理奈…冷静過ぎるよ。母さんと居る様になって、妙に強くなったよなぁ。」
「私は変わりませんよ!(笑)」
そう言いながら、紗理奈は俺にスクランブルエッグとウィンナーが乗った皿を二つ手渡してきた。
「はい。机に運んでね。」
「…はい…」
目に見えて変わった紗理奈。
よく笑う様になった。
皿を机に置き、寝室へ行き新しいTシャツに腕を通した。
「あっ、確か来週からお盆だな?」
「そうですね。」
紗理奈が棚に置いてあるカレンダーを見た。
「通販会社は、夏休みだな…やった!少し楽出来る!!」
本気で喜んだ、俺。