保健室で、君と最後のキス
私は冷静さを保つようにして、強気に言った。
だけど、八神くんはそんなこと何も気にしてないように、にっこり笑顔で話した。
「まだダメだよ、今日のデートが終わってからじゃないと」
「デ、デートって、どこに行く気なの!?」
「ひみつ」
ニヤッとした表情で人差し指で唇を抑える動作に、私は不安を感じた。
「ま、俺に着いてきて」
そう言って、私の服の袖を掴み歩き出す八神くん。
なんだか心配…。
自由奔放な彼がどこに行こうとしているのか、全く検討がつかないからだ。
とりあえず、今はなすがままに従うしかない。