焼きそば

「ただいま。」
私はそう言ったが、返事はなかった。いつもの事だ。私の家は冷め切っていた。

私はお父さんと二人家族だ。しかし、お父さんは仕事が忙しくてほとんど家にいない。もう、私はお父さんの顔を何日見ていないだろうか。お父さんがいない日々が当たり前になっていた。

帰りも遅かったので、夕食の支度をしようとすると机にお父さんの字で
『温めて食べてね 父より』
と書かれた紙と焼きそばが置かれていた。私は知らない人が作った焼きそばを見て胸が締め付けられた。私が好きなのは、お父さんが作った焼きそばなのにー。
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