君と友達な私の、赤い毛糸が繋がらなくても


「なぁ、誕生日6月4日?」

「うん、そーだよ。」

「え、誰これ、俺知らん人だ。」

カタカナがいっぱい並べられた名前の偉人さん。

下の詳しい解説が読めなくて、
そばによったら、

「え?隣座れば?」

そんなことを言われた。

「‥じゃあ、お言葉に甘えて失礼します。」

さりげない気遣いが、嬉しかった。

でも、それはなんとも思っていない気持ちの現れでもあって、悲しかった。


友達。
そんなふうに思ってもらえるのは幸せ。
けど、ちょっと切なかった。


*・゜゚・*:.。..。.:*


それから一年後。

生徒会執行部の一員になった私は、
彼と帰る日が多くなった。

理由は、『文化祭』。

遅くまで残って、同じ方向に帰るから、一緒に帰っていた。

まぁ、私と彼と、同級生二人の四人で帰っていたんだけどね。


「あ、バカが生えてる!」

文化祭の企画終わり、夜。
それはなんだか変な空気を孕んでいて。


センダングサと言われるひっつく雑草に、
わけもなく興奮する同級生二人。

仲良く投げ合いっこし出して、
私と彼は避難するため少し先を歩きながら帰ってた。
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