君と友達な私の、赤い毛糸が繋がらなくても


自転車通学の彼は、私のペースに合わせて自転車を押して帰ってくれていた。


民家の少ない土手沿いを帰るから、暗いし静か。

「お化けでも出そうで怖いわ〜!」

彼といる緊張を紛らわすために、そんなことを言ってみた。


そしたら、

「なら、後ろの二人脅かしてみらん?」


いつもは絶対見せないような、
イタズラごごろに溢れた笑顔。

すごく、かっこよかった。
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop