魔法使いは、恋の色に染まる
私は、辺りを見渡す。中世ヨーロッパのような町並みで、ローブを来た人たちで賑わっていた。

「……懐かしいわ……とりあえず、私たちの家に行くわよ。エミリー、カミルくん」

そう言って、お母さんは私の手を掴む。

「え……?」

「エミリー……それが、あなたのこの世界での名前よ」

お母さんは、そう言って優しく微笑んだ。カミルは「……よろしくね。エミリー」と私の手を掴む。

カミルに優しく手を掴まれて、私の胸はドキドキと音を立てたような気がした。



この世界に来て、1か月。生みの親に会うことが出来て、生みの親と一緒に暮らすことになったカミルと一緒に町を歩いていた。

「……こっちで暮らしてた方が気楽だな」

カミルは、そう言って伸びをする。

「確かにそうだね。人の目を気にせずに魔法使えるから……」

私がそう返すと、カミルは「……いい歌詞が浮かんだ」と笑った。

この世界に来た今でも、カミルは作詞作曲をしてる。私も、絵を描いてるよ。

「今度は、どんな感じになるの?」

「そうだな……テーマは、恋愛……かな?」

そう言って、カミルはにこりと笑う。その笑顔に、私はドキドキした。

「……楽しみにしててね」

カミルの言葉に、私は頷いた。
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