私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「ジャス先輩とお呼びしたらよいですか?」
「先輩なんて言わないで、気さくにして。ジャスでいいよ」
「はい! よろしくお願いします」
元気いっぱいイリスが頭を下げると、ジャスは満足げに笑った。
「オレ、君好きだな。仲良くできそうだよねオレたち」
初めのように気さくに話すジャスの言葉にイリスは嬉しくなる。ゲーム主要人物以外の中で、初めて対等な関係の友人になれそうだと思ったのだ。
「そうですね。ジャス様のクラスはどこですか?」
「あ、用事の途中だったんだ。またね!」
そう言うとジャスは足早に去って行く。
突然去って行く彼を不思議に思いながらその背を見送っていると、スッと温かい気配をまとった影がイリスに重なった。
「イリス、ここにいたんだね」
朱鷺色の瞳と視線がかち合う。イリスはドキリとして、とっさに視線をそらし、一瞬で赤くなった頬を押さえる。
フロレゾン王国第二王子レゼダ・ド・ゲイヤーがそこにはいた。彼の背後には、イリスの双子の弟、ニジェル・ド・シュバリィーが控えている。彼は、第二王子であるレゼダの学園内護衛騎士もかねているのだ。
イリスとレゼダの二人は婚約を控えた仲だ。まだ正式に婚約はしていないが、あとは結納の日を迎えるだけである。
レゼダ様、今日はいつもより大人っぽくて、ゲームパッケージのキメ顔のようだわ。これは、心臓に悪い……。
「先輩なんて言わないで、気さくにして。ジャスでいいよ」
「はい! よろしくお願いします」
元気いっぱいイリスが頭を下げると、ジャスは満足げに笑った。
「オレ、君好きだな。仲良くできそうだよねオレたち」
初めのように気さくに話すジャスの言葉にイリスは嬉しくなる。ゲーム主要人物以外の中で、初めて対等な関係の友人になれそうだと思ったのだ。
「そうですね。ジャス様のクラスはどこですか?」
「あ、用事の途中だったんだ。またね!」
そう言うとジャスは足早に去って行く。
突然去って行く彼を不思議に思いながらその背を見送っていると、スッと温かい気配をまとった影がイリスに重なった。
「イリス、ここにいたんだね」
朱鷺色の瞳と視線がかち合う。イリスはドキリとして、とっさに視線をそらし、一瞬で赤くなった頬を押さえる。
フロレゾン王国第二王子レゼダ・ド・ゲイヤーがそこにはいた。彼の背後には、イリスの双子の弟、ニジェル・ド・シュバリィーが控えている。彼は、第二王子であるレゼダの学園内護衛騎士もかねているのだ。
イリスとレゼダの二人は婚約を控えた仲だ。まだ正式に婚約はしていないが、あとは結納の日を迎えるだけである。
レゼダ様、今日はいつもより大人っぽくて、ゲームパッケージのキメ顔のようだわ。これは、心臓に悪い……。