私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「すごい!!」

「まぁ、小さい頃から教育されているしね。言葉自体はよく似ているし」

「ううん! すごいです!」

イリスのキラキラとしたまなざしを受けて、レゼダは照れたように笑った。

「ありがとう、イリスに褒められるのが一番嬉しい」

「っ!!」

殺傷能力の高いハニカミ笑顔を向けられて、イリスの心臓が止まりかける。

周囲にいた女学生の何人かは膝をついた。

すでに赤かったイリスの頬がリンゴのように真っ赤になる。

イリスってばかわいいな。

レゼダは思わず手を伸ばした。

その手をニジェルがパシッと払う。

「そろそろ学園長室へ参りましょう。カミーユ嬢も待っていると思います」

ツンとニジェルが言えば、レゼダは不満げに肩を竦めた。

そんな三人のいつものやりとりを、周囲の生徒たちは微笑ましく思いながら眺めていた。
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