秘密の一夜で、俺様御曹司の身ごもり妻になりました
この話を受けたら焦らずじっくり仕事も探せる。
そう考えて非常に不本意ではあったけれど、神崎さんの依頼を引き受けた。
『……受けます』
とりあえず、神崎さんのそばでニコニコしてればいいのよね。
表情筋がかなり鍛えられそうだ。
『商談成立。よろしく頼むよ、紗和。俺のことも下の名前で呼んでほしいな』
馴れ馴れしく神崎さんに名前を呼び捨てにされ、ゾクゾクッと寒気がした。
婚約者役は引き受けたけれど、それはあくまでビジネス。
彼と親しくなる気はない。
『仕事の時は下の名前で呼びます。プライベートと区別したいので』
ツンケンした態度で言い返すが、彼は気を悪くした様子もなくふっと微笑んだ。
『紗和のそういうところ、気に入ってるよ』
そう。この笑顔がすごく怖いのだ。
兄はいつも仏頂面だから怒ってもそんなに驚かないけれど、この人は本気で怒らせたらヤバイというオーラがプンプン漂っている。
高校時代、階段で私や友達のスカートの中を盗撮していた男子生徒が、神崎さんに見つかって足蹴にされたことがあった。
そう考えて非常に不本意ではあったけれど、神崎さんの依頼を引き受けた。
『……受けます』
とりあえず、神崎さんのそばでニコニコしてればいいのよね。
表情筋がかなり鍛えられそうだ。
『商談成立。よろしく頼むよ、紗和。俺のことも下の名前で呼んでほしいな』
馴れ馴れしく神崎さんに名前を呼び捨てにされ、ゾクゾクッと寒気がした。
婚約者役は引き受けたけれど、それはあくまでビジネス。
彼と親しくなる気はない。
『仕事の時は下の名前で呼びます。プライベートと区別したいので』
ツンケンした態度で言い返すが、彼は気を悪くした様子もなくふっと微笑んだ。
『紗和のそういうところ、気に入ってるよ』
そう。この笑顔がすごく怖いのだ。
兄はいつも仏頂面だから怒ってもそんなに驚かないけれど、この人は本気で怒らせたらヤバイというオーラがプンプン漂っている。
高校時代、階段で私や友達のスカートの中を盗撮していた男子生徒が、神崎さんに見つかって足蹴にされたことがあった。