秘密の一夜で、俺様御曹司の身ごもり妻になりました
『紗和ちゃんに俺の婚約者のふりをしてほしくてね。身内に見合いをしろと煩く言われて困っているんだ。もちろんただでとは言わない。報酬として五百万円出すよ』
『五百万……』
話を聞いて思わずゴクッと唾を呑み込む。
さすがお金持ち。きっと自分のポケットマネーから出すのだろう。
今年はアパートの契約の更新もあるし、大学の奨学金の返済もあるからお金は喉から手が出るほど欲しい。
だが、うまい話には裏がある。しかも、相手は神崎さんだ。
五百万円でこの人に一生こき使われそう。
『他を当たってください』
キッパリと断ったら、すかさず兄に突っ込まれた。
『いいのか? 今のご時世そう簡単に自分の望む仕事は見つからないぞ』
兄の指摘に『うっ……』と言葉を詰まらせる。
今ある求人は非正規雇用の仕事ばかりで、私が希望する正規の事務職は少ない。
貯金を崩して生活しているけどそれも長くは持たないし、もうリタイアしている親を頼りたくない。それに、この先すぐに仕事が見つかるという保証もないだろう。
『五百万……』
話を聞いて思わずゴクッと唾を呑み込む。
さすがお金持ち。きっと自分のポケットマネーから出すのだろう。
今年はアパートの契約の更新もあるし、大学の奨学金の返済もあるからお金は喉から手が出るほど欲しい。
だが、うまい話には裏がある。しかも、相手は神崎さんだ。
五百万円でこの人に一生こき使われそう。
『他を当たってください』
キッパリと断ったら、すかさず兄に突っ込まれた。
『いいのか? 今のご時世そう簡単に自分の望む仕事は見つからないぞ』
兄の指摘に『うっ……』と言葉を詰まらせる。
今ある求人は非正規雇用の仕事ばかりで、私が希望する正規の事務職は少ない。
貯金を崩して生活しているけどそれも長くは持たないし、もうリタイアしている親を頼りたくない。それに、この先すぐに仕事が見つかるという保証もないだろう。