ごめん、好き。

「ふ、……ぅ」

「泣くのかシュークリーム食べるのかどっちかにしたら?」


彼は困ったように笑った。



「浮気、されてたんです……。彼とは8年付き合ってたんですけど……家に、女の人がいて……て、こんなこと言われても困りますよね」


私はシュークリームを口の中に詰め込んで、グイッと涙を拭いた。


「そんなこと無いですよ。彼氏から弁解は?」

私の前に来て、しゃがんだ彼は目線を合わせてくれる。


あぁ……どこまで優しい人なんだろう。


「ありません」

「彼氏は勿体ないことをしましたね。こんな素敵な人を手放すなんて」


素敵な人って言ってくれるなんて、お世辞でも嬉しい。


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