ごめん、好き。
「新しい恋をしたらどうですか?見たところあなたはまだお若いですし」
「そんな……すぐ忘れるなんて、できない……でも絶対許したくない」
話してる間にも彼との思い出がフラッシュバックされて、涙が止めどなく溢れる。
「まあ8年も付き合ってたらそうなりますよね……」
手の甲で涙を拭いていたらグッと掴まれた。
「手を出さないって言ったけど……僕が忘れさせてあげましょうか……?」
そう言った彼は掴んでいないもう片方の手で、私の涙を拭った。
「え……?」
ドキッとした胸の高鳴りが嫌じゃなくて、思わず目逸らす。
「忘れさせてどうするんですか……そんなことしたら、今度はあなたのことを忘れられなくなる可能性だって……」