ごめん、好き。

なっ……!!

「そんなことっ……!!」


図星を突かれ、反論しようと思った。


だけど左手に見えた銀色のモノに、私の感情は移動してしまったんだ。

そして不思議と落ち着きも取り戻してくる。



「お互いの為にも無かったことにした方が良いと思います」


まさか、結婚していたとは。

平野さんと会ったのは約半年くらい前。


芸能人のスピード結婚じゃあるまいし、半年の間に相手と出会い、結婚までいくとか絶対ありえない。

となると、平野さんは相手がいるのに私に手を出したと言うわけで。


……最悪。


私の視線に気付いた平野さんは、リングを隠すように左手をポケットに入れた。



< 26 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop