ごめん、好き。
なんて頭を悩ませていたのに、神様は私の味方なのか、それとも敵なのか、そのタイミングがすぐに訪れた。
私以外誰もいない食堂で背後からガタッと音が聞こえた。
そこには紛れもなくあの平野さんの姿で。
私の心臓は大きく飛び跳ねた。
え、まってまって。
何で?
え、今?休憩?
え?ちょっと待って。
いろいろ待って。
急すぎでテンパっているとコーヒーの香りがして、こんな状況でも平野さんが淹れたんだと理解した。
いや、そんなことよりも今この空間に2人っきりっていうのも問題で。
怖くて後ろが振り向けない。
平野さんこっち見てる?
あぁ、もう。
そう考えただけで、ドキドキしてくるのはきっとあの日のせい。