ごめん、好き。
私達の間に会話は無く、雨粒が傘に当たる音だけがやたらと大きく聞こえた。
彼が足を止めるタイミングで顔を上げると、そこはビジネスホテルだった。
……ん?
ビジネス……?
ラブホじゃなくて?
予想外のことに、思わず2度見してしまった。
おまけにフロントで手続きをしている彼の横顔をジーッと見つめてしまう始末。
この人、間違えたの??
なぜビジネス?
ラブホが近くになかったとか?
………って、これじゃあまるで私がやりたい人みたいじゃん。
そう思うとボボッと顔に熱を持つ。
「部屋が取れました」
「え、あ……はい」
彼の後ろをついて歩き、部屋に入ると少し広めの2人部屋だった。