ライブ配信ー見えない狂気ー
車は郊外を離れ、高い山をどんどん登っていった。


山の上に見える大きな御屋敷。
もしかしてーーーーあれ?



私は車の中から、御屋敷を眺めていた。


たかしくんの家って会社してるって話していたけど、お金持ちなのでは。


あんな大きな御屋敷に、
たかしくん1人なんてーーーー。


私なら寂しいな。


「見えるでしょ、あの御屋敷が俺ん家」



見えますともーーーー。


大きくて目立つその御屋敷は、近づくに連れてどんどん豪華な屋敷で、綺麗だったから。

「立派な御屋敷だね!」




私は、素直にそう思っただけ。

大きな御屋敷。

立派な御屋敷にしか見えないそれ。


「ーーーーあんなん、ガラクタしかないよ。中身は腐り切ってるんだよ」




ーーーーーー?


御屋敷の中身が、腐り切ってる?



私は意味を、知らない。


意味を、考える力まで失ってしまった。


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