幸せになりたい神様を拾いました
・・・私にこんな能力がなければ、父と母が離婚する事もなかったし、実家に帰らずにいれば母は死なずに済んだかもしれない。
何度も何度も考えて、何度も何度も自分の力を恨んだ。
母の死は悲しくても、母の死に加担したような私に悲しむ資格や、犯人を恨む資格があるのかわからなくて、馴染み始めた生活、忙しい仕事に没頭し、毎日疲れ果てて眠った。
必要としない力の方は、高校生になった頃からには、言葉にしない方がいい存在と実在する生き物の違いは見分けられるようになったが、突然遭遇してしまった時には周りの人に怪しまれないようにする為全力を尽くしてきた。
「・・・ち、さち」
誰・・・?
誰かが呼んでる・・・
「・・・佐智、大丈夫か?」
「・・・だれ・・・?」
「これ、忘れるな、イザナギだ」
「・・・イザナギ・・・」
え・・・
一緒に寝てるの・・・?
「・・・なんで、一緒に寝てるの?」
「(笑)冷えたお主を温める為だ。俺は神様だからな。」
横向きで頬杖を着き、子供をポンポンとするように私に触れるイザナギの手。
「・・・イザナギ・・・男の人、って感じしないね・・・」