幸せになりたい神様を拾いました
「イザナミ、見つけたの????!!!どこ??!!どこにいるの??!!イザナギの願い叶って万事解決じゃん!!!」
興奮が抑えきれない私は、並んでベンチに座るイザナギに詰め寄る。
わかってたなら教えてくれたらよかったのに。
なんですぐ教えてくれなかったんだろう・・・
「・・・・・・覚えていなかったのだ・・・イザナミは・・・・・・」
「え・・・?」
いつも私を撫でてくれる、慈しんでくれるイザナギの温かくて優しい手が、不安そうに組んだり離れたりを繰り返している。
「先日、佐智について近くのすーぱーまーけっととやらに行った時に、人間の男に伴っているイザナミを見つけた。俺は、声をかけるかを迷い、すれ違った時に名を呼ぼうとした。しかし、俺に気づいたイザナミは、同族の神と気づき挨拶をしてはくれたが、俺が誰なのかはわかっていなかった・・・」
「・・・そんな・・・神様でも忘れちゃうの・・・?」
「・・・わからぬ・・・けれど、イザナミは・・・」
「・・・イザナギはどうしたいの・・・?」
いつも、イザナギがしてくれるように、私はイザナギの手に触れる。
温かくて大きな手が、今日は冷たい・・・。
不安で緊張すると、神様でもそうなるのか、と知って私は少し、イザナギを近くに感じた。