幸せになりたい神様を拾いました
「ねぇ、イザナギ・・・イザナミの事、好きなんだよね?」
「もちろんだ!!俺は・・・イザナミを愛しく思っている・・・」
「それならさ、もう1回、イザナミに好きになってもらおうよ!」
私の意気込んだ提案に、自身喪失していた『カッコイイ神様は』ポカンと口を開けている。
「・・・好きに・・・?」
「そう、もう1回、イザナミに、イザナギに恋してもらうの!」
「・・・ははは・・・そんな、上手く・・・」
「イザナギ!カッコよくない!いつものカッコイイイザナギじゃない!いつも、神様として自身に溢れていて、大らかで、カッコイイイザナギ父様、どっか行っちゃってるよ!」
「佐智・・・お主・・・なかなか言うではないか・・・」
「それに私少し調べたの、イザナギとイザナミは縁結びの神様でもあるんでしょ?きっと大丈夫だよ!!それでだめなら、当たって砕けたら、仕方ないからうちにいなよ!!」
「・・・佐智・・・応援しているのか、尻を叩いて玉砕に持ち込みたいのか、お主なかなかに乱暴だのぅ・・・」
「・・・応援してるんだよ、神様にだって、幸せになる権利あるよ。」
「・・・ふ・・・佐智・・・」
「わっ・・・ちょ・・・」
イザナギの手が乱暴にグシャグシャと私の頭を撫で回した。
その手には、いつもの温かさと強さが戻っていて、
「佐智」
私を呼んでぶつかる視線には、
「ありがとう、佐智」
自身に満ちた、神様がいた。