幸せになりたい神様を拾いました
「・・・イザナギは嫉妬とかしないの?」
「嫉妬?そんな安っぽいもの・・・・・・・・・いや、佐智がどこの馬の骨とも知らぬ男に引っかかり、傷付けられたらわからんな・・・」
私の頭を撫でていた手は、自然に私の手を握り、考える仕草は自分の顎を撫でている。
「イザナミが他の男を・・・同じように人間の男を可愛がっても?」
「うむ、それが神というものだ。縁の結ばれた人間を愛し慈しみ、導く、神として至極当たり前の事だ。しかし、佐智はダメだ、幸せにしてくれる人間の男を俺が見つけてやる。俺が縁を繋いでやる。」
「・・・・・・神として?」
「そうだ、神として、父様として、だな。」
・・・お前が好きだ、と言われるよりも嬉しいなんて思わなかった。
これ以上に、私の幸せを願ってくれる人はきっといない気がする。
「おお、この店だ。・・・緊張するな・・・。」
「・・・イザナギ、緊張すると手が冷たくなるね、神様なのに。」
「・・・仕方なかろう・・・」
「ふふ。よし、じゃあ、イザナミがいるか入ってみよう」
少し拗ねて口を尖らせる神様を連れ、私はスーパーへ突入した。
「イザナミ、いたら教えてね?」
「・・・うむ」
どうしよう・・・イザナギがこんなに緊張しているなんて・・・。
私も緊張してきちゃった。