幸せになりたい神様を拾いました
「ねぇ、なんで一緒に寝てるの?」
佐智の部屋に居座るようになった俺に、佐智は何度もそう問うた。
「神様も寝るの?」
眠らなくても死ぬわけではないし、疲労がどうのというわけでもない。
しかし、人間が眠っている間の意識は、現実世界から離れ、黄泉へと近くなる。
「俺は温かいだろう、共寝をした方が眠りやすいと思ってな。それに、悪い夢を見る事も減ったのではないか?」
「あ、確かに。嫌な夢とか怖い夢を見る事、確かに減った!」
それからは、そうする事が当たり前のように佐智は眠る時は俺と一緒に眠るようになった。
「イザナギ~寝るよ~早く~」
「まったく、仮にも神に対しての態度」
「イザナギ~」
「ふっ・・・まったく、仕方のないやつだな・・・」
人の話を聞かず、慣れてしまえば人を湯たんぽだとでも思っているのか、年中冷え性な佐智は、ベッドに入るなり俺にすり寄って足を絡めて、抱っこしてだの、手を握ってだの、と願望の限りに甘えてくる。
「・・・佐智、おまえ恥ずかしくないのか?」
「??何が??」
澄んだ目で見つめられ、俺は何も言えなくなり、そのまま抱きしめてやって、手を握り、冷たい足を挟んで温めてやるのだった。