幸せになりたい神様を拾いました
「・・・探しているとも。愛しいイザナミを早く見つけたいと思っているよ、俺は。」
「・・・嘘つきな神様はさわらないでくださーい。」
「なっ・・・佐智ぃ・・・冷たいではないかっ」
振り払ったイザナギの手が、往生際悪く追いかけてくる。
「嘘ではないっ俺は妻のイザナミを見つける!そのためにお主に協力を願い出たのだから・・・」
追いかけてきたイザナギの手が、背中を向けた私を抱き寄せる。
「・・・そ。それならよかった。」
わかってるけど・・・なんで、そう言いながら私を撫でるの・・・?
髪を撫でるのも、触れるのもきっとイザナギの癖だ。
人間の子であれば、どの人に対しても愛情を持つのが神様の習性のようなものなら、髪を撫で、頭を撫で、愛情を持って接するのがイザナギには普通の事なんだ。
けれどそんな、イザナギにとって普通の事が、イザナギに知られたくない生い立ちを持つ私には、初めて知る他者からの愛情のように感じてしまって、錯覚しそうになる。
・・・イザナミを見つけてあげるのが、イザナギが望む、イザナギの幸せなのに・・・
・・・イザナミを見つけてしまったら、イザナギはいなくなってしまう・・・
そうしたら・・・また、私はひとりぼっちだ・・・・・・