幸せになりたい神様を拾いました
「ふむ・・・悪くない、だが・・・お主、男運がないのう。」
姿勢を低くし、無遠慮に顔を覗き込む失礼さ、日本人離れした容姿なのに、言葉遣いは明らかに日本人、しかも、現代より昔風。
「な!!突然何なんですか!?」
男運がないなんて、自分でも分かっているくらい余計なお世話よ!
「どれ、祓ってやろう。ほんの、礼だ。」
ニンマリと笑い、私の返答など構いもせずに、人差し指を私の額に当てた。
時間は深夜、木々さえそよがない無風状態だったのに、その人が私の額に触れて紅の瞳を閉ざして、形の綺麗な唇が小さく動いて何か言葉を唱えた瞬間、響き渡ったのはゾッとするような悲鳴と強風。
しかしそれも一瞬の事で、周囲はすぐに元通りの静けさを取り戻した。
「・・・・・・・・・な、なに、今の・・・・・・・・・」
「おお、アレもわかるのか、お主なかなか見込みがあるの。ふむ、よしよし。アレはなんの事はない、低級霊の類だ。お主・・・人ならざる者が見えたり、聴こえたり、していたであろう?」
「!!」
それは、誰にも言ったことのない、私が持って生まれた『望まれない能力』。
「・・・なんの事ですか?知りません、私は・・・・・・」
「まぁ、どちらでもよい、アレはお主に取り付き、お主の力を食っておった。そうしなければ己を維持出来ぬ程の小物だ。しかし、人の子にとっては、それが心身に影響を来したり、ツキに見放されたりする。人の子の不幸を甘い蜜として己を維持していたんだな、あやつは。だからお主は男運がなかった。まぁ、今祓ってやったから大丈夫だろう。」
パラパラと、ササッと本をめくるように私に説明する口から零れた言葉は、にわかには信じられない話だった。
けれど、誰にも言った事がない能力の事を見抜かれ、否応にも動揺してしまう。
警戒する私が1歩距離を取ると、その人は、コホンと咳をして名を名乗った。
「俺は、イザナギ。まぁ、神様だ。」
にっこりと、それはそれは美しく、人間離れした笑顔でイザナギは笑った。
姿勢を低くし、無遠慮に顔を覗き込む失礼さ、日本人離れした容姿なのに、言葉遣いは明らかに日本人、しかも、現代より昔風。
「な!!突然何なんですか!?」
男運がないなんて、自分でも分かっているくらい余計なお世話よ!
「どれ、祓ってやろう。ほんの、礼だ。」
ニンマリと笑い、私の返答など構いもせずに、人差し指を私の額に当てた。
時間は深夜、木々さえそよがない無風状態だったのに、その人が私の額に触れて紅の瞳を閉ざして、形の綺麗な唇が小さく動いて何か言葉を唱えた瞬間、響き渡ったのはゾッとするような悲鳴と強風。
しかしそれも一瞬の事で、周囲はすぐに元通りの静けさを取り戻した。
「・・・・・・・・・な、なに、今の・・・・・・・・・」
「おお、アレもわかるのか、お主なかなか見込みがあるの。ふむ、よしよし。アレはなんの事はない、低級霊の類だ。お主・・・人ならざる者が見えたり、聴こえたり、していたであろう?」
「!!」
それは、誰にも言ったことのない、私が持って生まれた『望まれない能力』。
「・・・なんの事ですか?知りません、私は・・・・・・」
「まぁ、どちらでもよい、アレはお主に取り付き、お主の力を食っておった。そうしなければ己を維持出来ぬ程の小物だ。しかし、人の子にとっては、それが心身に影響を来したり、ツキに見放されたりする。人の子の不幸を甘い蜜として己を維持していたんだな、あやつは。だからお主は男運がなかった。まぁ、今祓ってやったから大丈夫だろう。」
パラパラと、ササッと本をめくるように私に説明する口から零れた言葉は、にわかには信じられない話だった。
けれど、誰にも言った事がない能力の事を見抜かれ、否応にも動揺してしまう。
警戒する私が1歩距離を取ると、その人は、コホンと咳をして名を名乗った。
「俺は、イザナギ。まぁ、神様だ。」
にっこりと、それはそれは美しく、人間離れした笑顔でイザナギは笑った。