俺、あなたのリアコです!
桜ちゃんの歌ってみたはどれも素敵で、どれが一番だなんて決められない。だから、桜ちゃんが新しい歌ってみたを上げるとテンションが上がってしまうんだ。

「やっぱり最高!」

広いネットの世界で出会えてよかった。そう思いながら俺は微笑んだ。



そして迎えた学園祭の日。真冬と宙がいる中、俺はまだ支度が終わっていないためバタバタしている。

「うわぁ〜、服どうしようかな」

クローゼットの前で悩んでいると、「デート前の女子か!」と真冬に突っ込まれる。だって……一応推しに会うんだから……。

「妹とは話さない約束だけどな」

宙にそう言われ、「うっ」と声が漏れる。でもライブと同じだ。推しに見られるかもしれないんだから、おしゃれを精一杯したい!

真冬と宙と相談しつつ、俺は白いリボンのついた黒いパーカーを選んだ。紐が可愛らしい赤色をしている。グレーのパンツを履き、お気に入りの星の形のピアスを耳につけた後、首元が少し寂しいように感じたため、ネックレスをつけていくことにした。
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