俺、あなたのリアコです!
「ライブの時みたいにキメてるじゃん」

「俺らと遊ぶ時、たまにジャージ着てるのに……」

真冬と宙にそう言われたけど、「早く行こう!」と急かす。早く桜ちゃんに会いたい!

「会う、じゃなくて正確には「見る」な」

宙にそう言われたけど、どっちでもいいでしょ?かばんを手に取り、半ば駆け足でエレベーターまで向かう。いつも家に引きこもって曲を作っているせいか、すぐに疲れる自分の体が初めて嫌になりそうだ。

タクシーで駅まで向かい、電車で三駅ほど通り過ぎる。そして駅から出て十分ほど歩くと……今日のために飾り付けられた専門学校が見えた。出店が並び、多くの人で賑わっている。

「すごい!」

「ここに桜ちゃんが……」

真冬と俺は辺りを見回す。動画で何度も見たあの可愛い顔はどこにもない。ただ、動物の専門学校ということで学校で飼われている犬やうさぎなどの動物は見かけた。

「桜、中央広場にいるらしい。そっちに移動しよう」
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