君とわたしの物語〜絶対関わりたくなかった君との恋物語〜

「俺ぁ、負けず嫌いなんだ。
 死ぬ気で走れよ。」

コウくんがギラっと私を睨む。

「わかった、頑張る・・。
 どっちの足から出す?」

私たちは1位を取るべく、入念な打ち合わせをした。

私も負けず嫌いだ。
どうせ走るなら、1位を取りたい!


【位置について!ヨーイ!ドン!!】

「「1、2 1,2 1,2 1,2」」

私たちは冷静に
数を数え、歩幅を合わせ、おもいっきり走った。

ドキドキしていた、とか
そんな事はとっくに忘れて、無我夢中で走った。

「あっ・・!」

転ぶ・・!

そう思ったその時、
私の肩を支えてくれていた大きな手に
グッと力が入り、転ばないようにしっかりと支えてくれた。

【ゴーーール!! 日高・杉元ペアが1位!!】

「おっしゃぁ!!」

「やったぁ!!!ありがとう!コウくん!
 さっき、支えてくれて!転ばずにすんだよ!
 コウくんのおかげだね、ありがとう!」

相手がどんなヤツだったかも忘れ、
1位を取れた事が嬉しくて興奮してしまった。

「おぉ、よく頑張ったな。」

コウくんはそう言うと、
私の頭をクシャッと撫でた。
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