君とわたしの物語〜絶対関わりたくなかった君との恋物語〜
男は
「声を出したら殺します。
おとなしく言う事聞いてください。」
そう、私の耳元でつぶやいた。
怖くて怖くて
脚がガタガタと震える。
たすけて
たすけて
お願い
頭の中でそう何度も繰り返す。
「このままじゃ何もして貰えないので
タオルを外します。
何度も言うようですが声を出したら殺します。
よろしいですね?」
その問いかけに対して
私はコクンと頷いた。
無駄に丁寧な言葉遣いに
より恐怖が増す。
もうこのまま好きな様にされて
あとは殺されてしまうのかな。
悔しい。
悔しい。
涙が止まらない。
男は私を木のそばにやり、
跪《ひざまず》かせた。
カチャカチャと音を立てながら
ベルトを外していく。
怖さで身体が震える。
男がベルトを外し終わった所で思わず目を瞑った。
「おい、何やってんだ。」
ーーーーーこの声。
男と私は、
同時に声のする方に目をやった。
声の主は私と目が合うと
驚いたように目を見開いた。
そう。
そこに居たのは
スーパーマンの様に
私を助けに来てくれたのは
「・・・・コウくん・・・。
たっ・・助けてお願い・・・」
私は今にも消え入りそうな声で
助けを求めた。