【短編】たぶん、その響きだけで。
悔いがないのかと聞かれれば、正直腐るほどある。
意識のあるスミとキスしたかったし、
ていうかそんなこと言ったらもうめちゃくちゃ触り足りないけど、
まあでも、そうだな。
きみが紡ぐ俺の名前に負けないくらい、俺はきみのことを呼べたから。
もうそれだけでいいやって、今は思ってるよ。
ねえ、スミ。
肝心な言葉、言えなくてごめんね。
勝手にキスしたのも、まあ反省はしてないけど、一応ごめん。
……あとさ、スミ。