【短編】たぶん、その響きだけで。
『番組の途中ですが、緊急速報です。先日分裂を起こしていた、地球の××光年先に位置する___星ですが、本日MASAが緊急会見を開いた際に「このままの軌道では日本に墜落する」という声明を発表しました』


スマホのアラート、該当テレビ、建物内の緊急アナウンス。

ありとあらゆる情報伝達ツールが、見たこともないくらいの爆音や鬼気迫る声を響かせていた。


友達も先生も家族も、とにかくみんな混乱して、
その喧騒は次第に畏怖へと変わって、

みんな、みんな、普通ではなくなっていた。



「───セナ、」



なんとか絞り出した声でそう呼んだセナは、



「……大丈夫だよ、スミ」



私の頬を、そっと両手で包み込んでから。


やっぱりいつも通り、
消えてしまいそうに、笑っていた。




……ただ一つ、今までと違ったのは、


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