哀しみエンジン
「あの、ボランティアサークル、でしたっけ。それって、どんなことするんですか」
「興味、持ってくれたんだ……!」
あまりにも嬉しそうにしてくれるから、一瞬でまた掴まれた、心を。
「はい。興味があります」
──「あなた」に。
そんな不純な動機で、新しく何かを始めても良いだろうか。
「少し時間をもらっても良い?」
「はい」
「じゃあ、9号館のロビーで、何か飲みながら、ゆっくり話をしようか」
「はい。お願いします」
実はもう、この時点で既に決めているようなものだった。
これ以上、好きなものを嫌いになりたくはない。
完全に嫌いになる前に、そんなことも忘れるくらいに、もう一度、何かに夢中になりたかった。
簡単に、ボランティアの活動内容を教えてもらう。
それは以前、服部先輩から聞いたことも含まれていた。
その他には、今まで活動中にあった楽しかったり、面白可笑しかった話。
話す表情は、常に明るい。
きっとそれが、その部活の雰囲気の全てを表しているのだろう。
人が楽しそうにしている様を見るのは、とても気分が良かった。
そして、後日。
仮入部として、早速、参加してみたのは、地元の子ども会と共催された「世界の遊び展」
日本なら、コマ回し、メンコにお手玉など。
中国なら皿回し(皿は専用のプラスチックのもの)、そして、恐らくエジプト発祥と言われているジャグリング。
その他には、各国のボードゲームなどの様々なおもちゃが、借りた小学校の体育館いっぱいに準備された。
「清水さん、これは……」
今朝、清水さんは車でやって来て、たくさん荷物を下ろしていたのを見た。