哀しみエンジン



すると、清水さんは得意気に微笑む。



「これは全部、人から借りたり、貰ったりした物。学内の知り合い、近所の人とか、SNSで小さな子でも遊べる、世界の珍しいおもちゃはありませんか、って声を掛けてたの」

「へぇ……」



感心する。

この前、大学のロビーで清水さんから聞いた。

子ども会からこんなテーマのイベントを催したいと言われ、ボランティア部側から企画を提案し、数ヶ月かけて準備をしてきたらしい。

そして、この後、ここで大勢の子ども達を相手にするらしい。



「……あの」

「どうしたの?」

「俺、実は、子どもとか苦手で」

「そうなの……?」

「……っす」



と言うより、単にあまり関わったことが無い。

だから、接し方がいまいちよく分からない。

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