哀しみエンジン
正義



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先日、己の奥底に眠っていた純情を、不意に気付かされ戸惑ってしまった。

それからと言うもの、サークルの時はもちろん、普段の学内の生活でも、清水さんを目で追うようになっている。

たった今は1日の講義を終え、1人で部室へ向かっているところだった。

今日はサークル自体は無いのだが、昨日のサークル会議で消しゴムを忘れてきてしまった。

たかが消しゴム、されど消しゴム。

今日1日、シャーペンの頭に付いている、あまりにも小さな消しゴムで凌ぐのは、なかなかキツかった、と講義中には思っていた。

明日も同じ状況におかれて、イライラしたくなかった。

しかし、今となってはどうでも良くて、思っていたことも今ではすっかり忘れている。

イヤホンで音楽を聞き流している俺は、ほぼ無心だ。

クラブハウスの辺りまでやってきて、目的の部室前に数人の人が集まっているのが、目に入る。

その中には、大きな荷物を抱えた清水さんも居た。


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