哀しみエンジン



溜め息を吐く。

すると、地面に座り込んだままの俺の横に、清水さんが膝をつく。



「な、直江くん。大丈夫? 怪我してない?」

「俺、そんなヤワに見えますか」

「そういう訳じゃないけど……ごめんね、巻き込んで」

「別に。巻き込まれたとか、思ってないんで。俺が本当に言いたかったこと、さっきの人たちに打つけたかっただけで」

「でも……」

「また、いつもの自己満足です。本当に気にしないでください」



間違いなく、自己満足。

あんな風に煽って、奴等の何かが変わるなんて到底思えない。

『……無駄みたいだな』

不意に、服部先輩の台詞が過った。

こればっかりは、服部先輩の言う通りか。

周りの人間に見限られて、あまりにも可哀想で哀れみを覚える。


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