哀しみエンジン
「そうやって、これからも後悔し続けるんですか」
「そ、そうやって、って……私は後悔なんか、してないけど」
「はぁ? ……俺は、逃げるのをやめて、けじめつけたのに」
「そ、それは……」
「後悔が残っても時間が経てば、確かに薄れていくでしょうね。でも、消えやしませんよ? きっと忘れた頃に、ふと浮かんでは、また清水さんを苦しめます」
後輩の俺が偉そうに、清水さんに説教を垂れてしまった。
しかし、これは清水さんのことを言っているんじゃない。
俺自身に、説教してるんだ。
そう内心で思っているだけでは、清水さんに伝わる訳もなくて。
強がる清水さんは、ついに涙を溢してしまった。