大人の初恋。結婚初夜 お礼SS
「愛する事を誓いますか」
神父さんに問われもちろん「はい」と答えるだろう。
領さんにプロポーズされてから約一年経った今日、私達は無事に結婚式を迎える。
旅行から帰ったあの日、水族館でプロポーズされ、後日すぐに領さんとお互いの親に挨拶に行った。
領さんのお義父さんはデザイン事務所社長、社長の息子だから一般の人とは駄目だ、とか反対されたらどうしよう、とかなり不安だったが想像とは真逆のお義父さんで笑うと目が細くなりタレ目になるのが印象的でとてもおおらかで優しい方だった。
「領の事、宜しくお願いします」
そう言われた時には涙が目に浮かび、瞬きしたら溢れてしまいそうだった。
自分の両親に報告した時はそれはもう物凄く喜んでいて、急に特上のお寿司を注文し始めたり、お酒を出したりと結婚相手の親に気を遣わないなんて無理があるだろう。
領さんに大変な思いをさせたかも知れないと落ち込んでいたのを気づかれたのか、私の頭を優しく撫でてくれ、私の目を見て耳元で周りに聞こえないよう小さな声で言った。
「俺は楽しいよ、亜佑美の両親や弟君に歓迎してもらえて嬉しい」
「……っつ!」
本当に私には勿体無いくらいの素敵な旦那様だ。
そして今日、結婚式日和とも言えるくらい雲ひとつないいい天気。式は身内だけを招待して祝福してもらった。
私の両親と弟、母方の祖父と祖母、領さんのお義父さんと妹さん。お義母さんは領さんが小さい頃に病気で亡くなったらしい……
妹さんに会うのは実話初めてで、なんでもイギリスに留学していたらしく、今回結婚式の為に一時帰国してくれた。
お義父さん、領さんと同じデザイナーの道に進むらしい。
家族に見守られて神に愛を誓うのは少し小っ恥ずかしい気持ちもあったが、いざ式が始まるとそんな気持ちはどこかに飛んでしまい、ただただ、皆んなに感謝の気持ちと領さんの奥さんになれて嬉しいという気持ちで私の心は溢れ返っていた。
「亜佑美、幸せになりなさい」
「……お父さん、ありがとう」
真っ白なプリンセスラインドレスを着て、父親と腕を組み真っ白なバージンロードをゆっくり歩く。
ドレスを蹴飛ばしながらゆっくり歩くのが意外と難しく、なんだか変な歩き方になってしまった気がしてならない。
歩いた先には真っ白なタキシードに身を包んだ領さんがとても優しい笑顔で待っていてくれた。
お父さんから離れ領さんの元へ。
「亜佑美、凄い綺麗だよ、これから宜しくね、奥さん」
「っつ……は、はいっ」
家族に祝福される中私達はゆっくり唇を合わせ永遠の愛を違った。
終始感動の式を終え、両家でフレンチのディナーコース料理を囲みながら談話を楽しんだ。
せっかくのフレンチなのにドレスがキツくて全く食べれなかった。新婦さんは殆どの方が食べられなくて悔しいと式が終わった後に言っているとプランナーさんが言っていたのを思い出す。
家族は皆んな手配したバスに乗り自宅付近まで送ってもらい、私と領さんは式場と同じホテルの一室でくつろいでいた。
今日はそのまま一泊して明日の朝帰宅予定だ。
「凄くいい式になりましたね」
「だな、でも凄い疲れた」
もうホテルの部屋から出る事もないので備え付けてあったガウンに身を包んだ。
ぐだぁっと二人でベットに寝転びながら今日の写真を見返す。
「ははっ、親父めっちゃ涙目じゃん」
「いやいや、領さんもかなり涙目でしたよ?」
「だって、今日から亜佑美が俺の奥さんだと思うと幸せすぎて……」
「領さん……まだ婚姻届出して無いですけどね」
「亜佑美ってたまにリアルな事言うよな」
そう、私達はまだ婚姻届を出していない。
明日二人で役所に届け出を出しに行く。
忙しい領さんに代わって私が一人で出しに行くと言ったがどうしても二人で行きたいと言うので式の次の日に決めた。
「亜佑美……こっちおいで」
領さんは座り直し自分の足の間をポンポンと叩き私を招く。
勿論私はすかさず領さんの足の間に座る。
こうして後ろから抱きしめてもらうのが私は大好きだ。領さんの鼓動が私の背中に心地よく響く。
「亜佑美……幸せにするからね」
「私も、領さんの事幸せにしますっ」
お互い見つめ合い引き合うように唇を合わせキスをした。段々息をするのも苦しいくらいお互いを求め合う。部屋に二人の息をする音が響く。
「んんっ……領さんっ……大好き」
領さんの動きがピタッと止まりジッと私を見つめる。
「俺も愛してるよ……」
もう一度キスをした。
スルリとガウンの隙間から領さんの手が入ってくる。大きな手の温もりが肌を通して感じる。
(し、新婚初夜ってやつだ……)
無駄に緊張してしまい、身体に力がグッと入ってしまう。何度も何度もしている行為なのに、初めての時のように緊張して、心臓がドッドッドッっと身体を突き破るんじゃないかと思うくらい大きな音で動いている。
「亜佑美……心臓の音凄い、緊張してる?」
「っつ……だって、し、新婚初夜だと思うとなんだか……」
カカーっと顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。耳まで熱い。思わず顔を逸らす。
「新婚初夜って……可愛いすぎ……大丈夫、朝までゆっくり可愛がるからね」
「んなっ!!」
チュッと私の真っ赤になった耳にキスを落とす。
リップ音が直に耳に響き、身体の芯から震えた。
耳からおでこ、頬、唇にたどり着いた時には息をするのを忘れるくらいお互いの唇を重ねた。
何度も見ている領さんの少し頬が赤くなり、目が潤んで色っぽい表情。誰にも見せたくない、私だけが知っている彼の欲情し切った表情。
優しく耳元で「亜佑美」と囁いて、何度も何度も好きだと伝えてくれる。段々私の名前を呼ぶ声に余裕が無くなって、それでも途切れ途切れ名前を呼んで愛してると伝えてくれる。それに答えたくて私も何度も領さんの名前を呼ぶ。好き、愛してる。
領さんは言った通り朝まで私の至る所を優しく、時に激しく求めるように……
疲れ果てた手で携帯を開くと朝の三時。
「……もう三時って」
「ちょっとやりすぎたか……チェックアウト十時だっけ?」
「やり過ぎですよ!!! もう動けない」
「だって亜佑美可愛過ぎるから、まぁ、まだ時間あるから少し寝よう」
裸のまま肌と肌をくっつけ、人の肌の温度を感じ幸せな気持ちのまま眠りについた。
ピピピ、ピピピ……
アラームの音がボヤッとした頭に響き、手を伸ばし携帯を見て止める。
「ん、時間だ……領さん起きて」
「ん、んん〜亜佑美、おはよ」
「帰る準備しますよっ」
二人とも寝起きはいい方なのですぐに帰る支度を整えチェックアウトを済まし、駐車場に止めてあった領さんの車に乗り込む。
目的地はそう、区役所。婚姻届を出しに行くのだ。
区役所の職員さんに婚姻届を提出し、その日のうちに受理されるようだ。ついに私たちは夫婦になり、私は早川亜佑美になった。
「亜佑美……」
「何ですか?」
「これから宜しくな、奥さん」
「ふふ、これからも宜しくお願いしますね、旦那さんっ」
神父さんに問われもちろん「はい」と答えるだろう。
領さんにプロポーズされてから約一年経った今日、私達は無事に結婚式を迎える。
旅行から帰ったあの日、水族館でプロポーズされ、後日すぐに領さんとお互いの親に挨拶に行った。
領さんのお義父さんはデザイン事務所社長、社長の息子だから一般の人とは駄目だ、とか反対されたらどうしよう、とかなり不安だったが想像とは真逆のお義父さんで笑うと目が細くなりタレ目になるのが印象的でとてもおおらかで優しい方だった。
「領の事、宜しくお願いします」
そう言われた時には涙が目に浮かび、瞬きしたら溢れてしまいそうだった。
自分の両親に報告した時はそれはもう物凄く喜んでいて、急に特上のお寿司を注文し始めたり、お酒を出したりと結婚相手の親に気を遣わないなんて無理があるだろう。
領さんに大変な思いをさせたかも知れないと落ち込んでいたのを気づかれたのか、私の頭を優しく撫でてくれ、私の目を見て耳元で周りに聞こえないよう小さな声で言った。
「俺は楽しいよ、亜佑美の両親や弟君に歓迎してもらえて嬉しい」
「……っつ!」
本当に私には勿体無いくらいの素敵な旦那様だ。
そして今日、結婚式日和とも言えるくらい雲ひとつないいい天気。式は身内だけを招待して祝福してもらった。
私の両親と弟、母方の祖父と祖母、領さんのお義父さんと妹さん。お義母さんは領さんが小さい頃に病気で亡くなったらしい……
妹さんに会うのは実話初めてで、なんでもイギリスに留学していたらしく、今回結婚式の為に一時帰国してくれた。
お義父さん、領さんと同じデザイナーの道に進むらしい。
家族に見守られて神に愛を誓うのは少し小っ恥ずかしい気持ちもあったが、いざ式が始まるとそんな気持ちはどこかに飛んでしまい、ただただ、皆んなに感謝の気持ちと領さんの奥さんになれて嬉しいという気持ちで私の心は溢れ返っていた。
「亜佑美、幸せになりなさい」
「……お父さん、ありがとう」
真っ白なプリンセスラインドレスを着て、父親と腕を組み真っ白なバージンロードをゆっくり歩く。
ドレスを蹴飛ばしながらゆっくり歩くのが意外と難しく、なんだか変な歩き方になってしまった気がしてならない。
歩いた先には真っ白なタキシードに身を包んだ領さんがとても優しい笑顔で待っていてくれた。
お父さんから離れ領さんの元へ。
「亜佑美、凄い綺麗だよ、これから宜しくね、奥さん」
「っつ……は、はいっ」
家族に祝福される中私達はゆっくり唇を合わせ永遠の愛を違った。
終始感動の式を終え、両家でフレンチのディナーコース料理を囲みながら談話を楽しんだ。
せっかくのフレンチなのにドレスがキツくて全く食べれなかった。新婦さんは殆どの方が食べられなくて悔しいと式が終わった後に言っているとプランナーさんが言っていたのを思い出す。
家族は皆んな手配したバスに乗り自宅付近まで送ってもらい、私と領さんは式場と同じホテルの一室でくつろいでいた。
今日はそのまま一泊して明日の朝帰宅予定だ。
「凄くいい式になりましたね」
「だな、でも凄い疲れた」
もうホテルの部屋から出る事もないので備え付けてあったガウンに身を包んだ。
ぐだぁっと二人でベットに寝転びながら今日の写真を見返す。
「ははっ、親父めっちゃ涙目じゃん」
「いやいや、領さんもかなり涙目でしたよ?」
「だって、今日から亜佑美が俺の奥さんだと思うと幸せすぎて……」
「領さん……まだ婚姻届出して無いですけどね」
「亜佑美ってたまにリアルな事言うよな」
そう、私達はまだ婚姻届を出していない。
明日二人で役所に届け出を出しに行く。
忙しい領さんに代わって私が一人で出しに行くと言ったがどうしても二人で行きたいと言うので式の次の日に決めた。
「亜佑美……こっちおいで」
領さんは座り直し自分の足の間をポンポンと叩き私を招く。
勿論私はすかさず領さんの足の間に座る。
こうして後ろから抱きしめてもらうのが私は大好きだ。領さんの鼓動が私の背中に心地よく響く。
「亜佑美……幸せにするからね」
「私も、領さんの事幸せにしますっ」
お互い見つめ合い引き合うように唇を合わせキスをした。段々息をするのも苦しいくらいお互いを求め合う。部屋に二人の息をする音が響く。
「んんっ……領さんっ……大好き」
領さんの動きがピタッと止まりジッと私を見つめる。
「俺も愛してるよ……」
もう一度キスをした。
スルリとガウンの隙間から領さんの手が入ってくる。大きな手の温もりが肌を通して感じる。
(し、新婚初夜ってやつだ……)
無駄に緊張してしまい、身体に力がグッと入ってしまう。何度も何度もしている行為なのに、初めての時のように緊張して、心臓がドッドッドッっと身体を突き破るんじゃないかと思うくらい大きな音で動いている。
「亜佑美……心臓の音凄い、緊張してる?」
「っつ……だって、し、新婚初夜だと思うとなんだか……」
カカーっと顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。耳まで熱い。思わず顔を逸らす。
「新婚初夜って……可愛いすぎ……大丈夫、朝までゆっくり可愛がるからね」
「んなっ!!」
チュッと私の真っ赤になった耳にキスを落とす。
リップ音が直に耳に響き、身体の芯から震えた。
耳からおでこ、頬、唇にたどり着いた時には息をするのを忘れるくらいお互いの唇を重ねた。
何度も見ている領さんの少し頬が赤くなり、目が潤んで色っぽい表情。誰にも見せたくない、私だけが知っている彼の欲情し切った表情。
優しく耳元で「亜佑美」と囁いて、何度も何度も好きだと伝えてくれる。段々私の名前を呼ぶ声に余裕が無くなって、それでも途切れ途切れ名前を呼んで愛してると伝えてくれる。それに答えたくて私も何度も領さんの名前を呼ぶ。好き、愛してる。
領さんは言った通り朝まで私の至る所を優しく、時に激しく求めるように……
疲れ果てた手で携帯を開くと朝の三時。
「……もう三時って」
「ちょっとやりすぎたか……チェックアウト十時だっけ?」
「やり過ぎですよ!!! もう動けない」
「だって亜佑美可愛過ぎるから、まぁ、まだ時間あるから少し寝よう」
裸のまま肌と肌をくっつけ、人の肌の温度を感じ幸せな気持ちのまま眠りについた。
ピピピ、ピピピ……
アラームの音がボヤッとした頭に響き、手を伸ばし携帯を見て止める。
「ん、時間だ……領さん起きて」
「ん、んん〜亜佑美、おはよ」
「帰る準備しますよっ」
二人とも寝起きはいい方なのですぐに帰る支度を整えチェックアウトを済まし、駐車場に止めてあった領さんの車に乗り込む。
目的地はそう、区役所。婚姻届を出しに行くのだ。
区役所の職員さんに婚姻届を提出し、その日のうちに受理されるようだ。ついに私たちは夫婦になり、私は早川亜佑美になった。
「亜佑美……」
「何ですか?」
「これから宜しくな、奥さん」
「ふふ、これからも宜しくお願いしますね、旦那さんっ」